ダイエット本読書感想文「やせる3つの食べ方」
ダイエットの仕方に迷い、悩んだ人は答えを求めています。
どんなものを食べてはいけないのか、食べるべきなのか。運動はどのようにすべきか。
そんなようなことに自分なりの答えを見つけるよりも、「これが正しい!」と誰かがはっきり言ってくれることが安心で、そのメソッドに乗っかりたい。
そういう人がダイエット本を買うのです。
「やせる3つの食べ方」中野ジェームズ修一 著
この本は、痩せたいと思い悩む人に「食べるルール」を明確に決めてあげる、食べ方のルールブックのような本です。
食べ方のルールを詳細なケースを想定し記述する親切さ
そんな明確に決めるルールはまず、食品の品目数を多く摂るためのルールから始まります。
肉、卵、牛乳・乳製品、豆・豆製品、魚介類、海藻類、緑黄色野菜、淡色野菜、果物、キノコ類、イモ類、油類、嗜好品、穀類の14品目から「1日の中で1品目を1回のみ」食べる、というルールを自分に課す
というものです。
多品目を1日の中で網羅ししかも1品目1回のみというルールに則って日々の食事を摂るというのは、なかなかの難易度だと思われ、よほどダイエットに本気で必要に迫られている人でないと取り組めないのではないかという印象を持ってしまいます。
しかし、よくよく考えてみれば難易度の高い習慣付けでも時間をかけて取り組めば可能であるということは、私が日々そばに置いている考え方そのものです。この「14品目法」を実現するには、3食という食事の機会をフルに利用し品目数を稼げる時に稼ぎ、「現在のところ不足している品目数は何か」をイメージした上で次の食事を選ぶことが必要となります。これは自らの食事を把握する必要があるということですから、食に対する捉え方がガラリと変わり、食生活は大きく変わるはずで、これだけである程度長いスパンで考えたダイエットは実現していけるに違いありません。取り組みが継続出来れば、という大きな条件はつきますが。
ここでこの取り組みをどのように成功させるかを想像してみると、トライアンドエラーを繰り返し、少しずつ理想形に近づけていくというやり方が良いのではないかと私は思いました。難易度が高くしかも期間の長い(理想は永久)取り組みを自らのものにするにはこういう心持ちで行うべきです。
この14品目法のやり方は、習慣化してしまえば一気に波に乗ってその後崩れることはない、非常に力強い食習慣を会得出来るものです。
この本はこういった食べ方のルールを、食べていいもの、食べてはいけないもの、食べていいが1日の中で回数を制限するものなどを、考え付く様々な場面を想定して極力対応できるように記述しているところが親切であり、痩せたいと悩む人にとっては非常に助かる指南書となるはずです。審判の同行しないゴルフのルールブックのようです。
定番の推奨される食べ順や制限食、レコーディングについても網羅
この本はサブタイトルを
人生でこれが最後のダイエット
としているだけあり、根本的な心得から食事ルールの習慣付けのヒント、ルールに持たせた猶予、年齢によってのルールの微調整など、一生続けられる習慣にすることを前提とした記述に徹しています。
つまりこの本が答えだと思えば答えになる設計になっているのです。そのため網羅すべきところは細かくルール設定をしてくれます。例えば糖尿病の仕組みの記述から食べ順の言及もありますし、制限食ダイエットについて分かりやすく正解不正解を名言しています。この場合の正解不正解というのは取り組みとして線を引くという意味であり、その食べるべきでない食品としているものを否定しているわけではありません。
最後に
私の勧めるダイエットの仕方としては、「一生続けられる健康習慣を会得し継続した結果痩せる」という大筋が理想と思っていますがこの本では、ある程度短期間で結果を残しつつ一生続けられる健康習慣を目指しています。こう書くと都合が良すぎるように思えますが、その分あらゆるケースに対応した細やかな記述なので、難易度の高い習慣付けに突き進んでみれば必ずいい結果になるはずと確信できるダイエット本でありました。例えば実行できなくとも、各自の健康習慣の中に良い影響を与える食の考え方は思考の財産になるため、「この本を読んだ上で自分でルールを決める」という使い方も非常に有効ではないかと思います。